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鳥飼酒造

09/21 9/26~27 臨時休業日のお知らせ
09/06 復旧工事完了によるFAX再開のお知らせ

今から15年前のある日、私はかろうじて残っている清らかな流れと出会いました。
熊本県人吉にある草津川(そうづがわ)で、球磨川(くまがわ)の支流にあたります。
その場所には産廃処理場の計画があると聞かされ、たまらない気持ちでストップをかけました。多くの地権者をまとめて説得し、土地の権利を取得したのです。土石流の傷跡を修復したり、川を堰き止める伐採の残骸を片づけ景観を整えているうちに、あっという間に時が過ぎました。
清流を護るための山林の手入れは現在も続いています。

この度 甦った自然を一年近くかけて十文字美信さんが撮影しました。

皆様のご支持によって出来た焼酎「鳥飼」の産まれる場所をご覧ください。
共感頂ければこの上ない喜びに存じます。

鳥飼和信

TORIKAI short version
TORIKAI short version [1:03]


TORIKAI 1
Movie 1 [3:25]
TORIKAI 2
Movie 2 [3:16]
企画:鳥飼和信、十文字美信
演出・撮影:十文字美信
音楽:三宅純

鳥飼酒造の焼酎造り

蒸留所 蒸溜の後、初めて焼酎として完成した液体

鳥飼酒造は400年前より現在地にあります。
150haの谷あいに蒸留所を建て、崩壊した渓流を守る活動を15年行っています。技術の向上を目指し、第一に伝統的手法による事、第二にオリジナルである事、第三に飲まれる皆様の支持を得る事。この三つの条件を満たす為に研究し続けています。私達の焼酎の特徴は吟醸麹(58%に磨かれた米)と香りにあります。

環境への取り組み

かつて山と森は神と精霊が住む地でした。

近代になり工業化が進むに従って
山は経済活動の対象となりました。
山に所有権が生まれると乱伐が繰り返され、
瓦礫が剥き出しとなった表土は
もはや植林不能となったのです。

支える土壌、草木も無く、
いたるところに土石流や崩落が起こり、
その結果山は疲弊していきました。
人の営みにより崩壊した山に、
息も絶え絶えになった草津川の流れが
埋もれていたのです。

人手を拒否するほど荒廃した山に、
一筋の清らかな流れが残っていたのは、
私にとって大きな喜びでした。

山の底力を見せつけられた気がしたのです。

崩壊した山に入る度に、
山を元の姿に戻せないだろうかと考えるようになりました。
私が子供の頃の山の匂いや透明な川のきらめきを
思い出していたのです。
土砂を取り除き、流れを堰き止めていた石を動かすと、
山は少しずつ息を吹き返していきました。

自然の力に支えられて渓流を守る強い気持ちは、
取り組み始めて15年過ぎた現在も続いています。

鳥飼酒造 鳥飼和信

沿革

9世紀(平安時代)
鳥飼家は京都から人吉に移る。大刀と覚書が現存。
813年(大同8年)
家具が現存。
1800年(江戸時代)
醸造酒と焼酎の両方を人吉にて製造。
酢、味噌、醤油などを醸造、覚書が現存。
1871年(明治3年)
明治政府より、酒造りの新免許が発行される。
1896年(明治28年)
「鳥飼清治」が焼酎事業を継ぐ。
1959年(昭和34年)
「鳥飼千一」が焼酎事業を継ぐ。
1974年(昭和49年)
「鳥飼和信」が酒造事業を継ぐ。
1991年(平成3年)
吟醸香をテーマに研究開発を進める。
熊本工業大学教授 上田誠之助氏と出会い、実験に成功。
“吟香鳥飼”の原型が生まれる。
1994年(平成6年)
“吟香鳥飼”完成。
1996年(平成8年)
モンドセレクション国際食品コンクール
グランド メダイユ ドル(特別金賞)を受賞。
この年、蒸留酒部門での受賞は
ジョニーウォーカー社と当社のみだった。
2000年(平成12年)
草津川流域の乱発計画にストップをかける為、山林を取得。
2004年(平成16年)
草津川上流域に蒸留所建設着手。
2005年(平成17年)
下永野町に草津蒸留所竣工。
2007年(平成19年)
斧研(よきとぎ)麹蔵建設に着手。
2012年(平成24年)
下永野町に斧研(よきとぎ)麹蔵竣工。
2015年(平成27年)
理想の焼酎を求めて現在も開発、改良を続けている。


株式会社鳥飼酒造

代表取締役 鳥飼和信
本社住所 〒868-0034
熊本県人吉市七日町二番地
電話 0966-22-3303
FAX 0966-24-7947

 

 

吟香 鳥飼

吟香 鳥飼ぎんか とりかい」の生命は華やかな香りと柔らかな味わいにあります。

それは、蒸留酒のための吟醸麹づくり技術と、自家培養の酵母によって生まれました。

豊かな吟醸香をお楽しみ下さい。

1ボトル 720cc

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鳥飼語録

酒はもともと主食とする産物を発酵させて作ったもので、気候風土とセットで生まれました。カビの文化といわれるモンスーン気候の文化で、日本では麹菌という微生物を使って酒を造るわけです。

子供の頃、父が大事にしていたウィスキーをいたずらでチョコチョコ飲んでいたのがバレて叱られるかと思いきや、
「これから酒の飲み方を教える」と諭されました。その時に覚えたのがワンショットグラス、チェイサー、スピリッツという言葉でした。

「蒸留酒というのはスピリッツと言って、民族の魂という意味なんだ。」
この言葉が今でも離れなく、頑張れる原点です。

焼酎の「焼」は、もろみに熱を加えるという意味です。「酎」は、濃い酒という意味です。
自然発酵は清酒の技術で22パーセント、これ以上濃い酒を求めようとすると、蒸留せざるを得ないわけです。
「焼酎」というのは「蒸留酒」という意味なのです。

焼酎造りは温度管理が重要です。仕込んで一晩もすると発酵熱で温度が上がって来ます。一種の代謝熱で人間の体温と思って頂ければ良いと思います。温度計で計った温度は発酵物全体の一点に過ぎない。
若い時、滅菌剤で身を潔めて腕の肩の所まで漬けた後、カメの中に入ってみました。手で探ると全体に温かいのではなく熱さがチカチカと点滅するような刺激を皮膚に感じたのでした。

ぼくの仕事はブランドを作っていくことなんですけれど、過大にも過小にも見てほしくない。普通に認めてほしい。

かつて酒造元では子供が酒を飲むのに寛大でした。小学校三年10才の頃に飲んだヴィンテージポートワイン200年物の味と香りが強い記憶となって残っています。
よい酒というのは子供でもわかるんです。ぼくは「通」の酒を作ろうとは思わない。女性や子供でも美味しさがわかって、通がうなる酒が本物じゃないかと思います。

清流を護るためには、ひとたび人手のはいった森は自然林といえども手入れを必要としています。

私どもの発酵の世界は自然と人間の際にあります。こんな時こそ、自然の動きに学びたいと考えています。

健全な森からこそ清らかな水は生まれます。

麹菌一つとっても、人間の体温は37度を境に±5度が限界ですが、麹菌は生存域の温度幅が±15度と大きく、胞子の状態では5度でも生き延びます。酒造りの日常では麹菌や酵母菌の多様な能力に驚かされる事が度々です。

私たち醸造家の祖先は「目に見えないけど確かに存在する」菌類を相手に、なんの計測器もない時代に五感のみで発酵文化を築いたのです。

15haの広大な丘の上に、小さく麹蔵を建てたのは周囲から微生物の侵蝕を避けるため、
そして洗米排水を例え浄化したとしても草津川の清流に流さないことを目的としたからです。

吟醸麹(精白度58パーセント)を常とする私どもの蔵では、蒸米の含水率は1パーセント以内、麹標準温度1度以内の誤差でないと美しい香りは得られません。

多くの蔵人達が夜中の作業を厭わないのは、誰かにやらされてやっているわけではなく、造り手の誇りをかけて働いているのです。

吟香対談

毎回多彩なゲストをお迎えしてお酒を楽しみながら
様々なテーマについて語り合う吟香対談。
第一回のゲストは写真家の十文字美信氏にお越しいただきました。

第一回 十文字美信